「姿勢」からアプローチする「お腹の不調」のやさしいほぐし方
- seraphyroom
- 22 時間前
- 読了時間: 8分

検査では原因が確認できない、身体的な症状がある
「病院に行ってみたけれど、やっぱり異常はなかった」
「でも、どうしても学校や仕事のことを考えると、お腹が張って苦しくなる……」
そういったお腹の辛さで生活に大きな影響を及ぼす病気として、「機能性ディスペプシア」「過敏性腸症候群」というものがあります。
例えば、デスクワークで毎日長い時間パソコンに向かっている、学校へ行くのが少し難しくて家で過ごす時間が長くなっている、試験勉強を頑張っているなど、「座る時間が長い」方で、お腹の不調の悩みを抱えていらっしゃる方はいませんか?
今回は、座る時間の長さや姿勢によってお腹の調子が悪くなる仕組みと、今日からできるやさしい対策をお話しします。
※「機能性ディスペプシア」「過敏性腸症候群」は必ずしも「座り姿勢」が原因で起こるものではありませんが、今回は、すぐに取り組める方法として「姿勢」に着眼点をおいて説明していきます。
今の状態をチェックしてみる
以下の項目に、いくつ当てはまるか数えてみてください。
□パソコンやスマホを見ているとき、背中を丸めて気づくと息を止めている(浅くなっている)
□椅子に座る時、お尻が前に滑って背もたれに寄りかかる「ずっこけ座り」になりがち
□食べ始めてすぐに、お腹がいっぱいになってしまう(最後まで食べきれない)
□食事のあと、いつまでも胃の中に食べ物が残っているような重い「胃もたれ」がある
□座っている時、無意識に「おなら(ガス)が漏れているのでは…」と不安で集中できない
□下腹部からみぞおち、食道のあたりまで、お腹全体が風船のようにパンパンに張る不快感がある
□お腹の中でガスが「ゴロゴロ」「ポコポコ」と大きな音を立てて移動するのが分かる(周りに聞こえないかハラハラする)
□「突然の強い便意」に襲われることがあり、すぐにトイレに行けない環境(電車や授業など)が怖い
□何日も便が出ない、または出てもウサギのフンのように硬くてコロコロしている
□下痢と便秘を数日おきに繰り返して、お腹の調子が安定しない
□手足は冷えているのに、顔や頭だけがカッと熱くなることがある
□緊張する予定(会議、授業、お出かけなど)があると、事前にお腹が痛くなる
【チェックが1〜3個の方】
お腹と胃の緊張度は「軽度」です。時々深呼吸をして、今のうちから体をケアしてあげましょう。
【チェックが4〜7個の方】
お腹と胃の緊張度は「中等度」です。座り姿勢や日々のストレスによって、胃腸が少しお疲れのサインを出しています。
【チェックが8個以上の方】
お腹も胃も「カチカチ」に緊張している可能性が高いです。
自律神経がいつもより緊張モードに傾いている可能性が高く、胃腸がとても過敏になっています。
ぜひこの後の対策を試してみてくださいね。
※このチェックリストは、過敏性腸症候群(IBS)や機能性ディスペプシア(FD)の医学的な診断をするものではありません。日頃のストレスや姿勢からくる「胃腸の緊張度」の目安として、リラックスしてチェックしてみてくださいね。
対策として、「物理的な面」と「心理的な面」から考える
1. なぜ座り姿勢によってお腹が「硬く」なるの?
お腹の調子が悪くなる背景には、「物理的な圧迫」と「自律神経の乱れ」という2つの原因が隠れています。
原因①:猫背による「内臓の圧迫」
パソコンやスマホに集中していると、どうしても背中が丸まって、猫背になりがちですよね。
背中が丸まると、肋骨と骨盤の間がギュッと縮まり、胃や腸が上から押しつぶされてしまいます。
腸が圧迫されると、便やガスを先へ先へと送り出すぜん動運動(ぜんどううんどう)という動きが物理的に滞ってしまいます。
その結果、行き場を失ったガスがお腹に溜まり、内臓がカチカチに硬くなったように感じてしまうのです。
原因②:心が緊張すると、腸もカチカチに
腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、心と深くつながっています。
私たちの体をコントロールしている自律神経(じりつしんけい)は、腸の動きも支配しています。
このように、脳(心)と腸がお互いに影響を与え合っている密接な関係のことを、医学では「脳腸相関(のうちょうそうかん)」と呼びます。
・デスクワークで集中しているとき: 脳が戦闘モードになり、交感神経(こうかんしんけい)が優位になります。このとき、腸は動きを止めてしまいます。
・不安やストレスがあるとき: 学校のことや将来の不安、仕事のプレッシャーなどがあると、自律神経のバランスが崩れます。
自律神経が乱れると、腸の神経がとても敏感になる内臓知覚過敏(ないぞうちかくかびん)という状態になります。
普通なら気にならないくらいの小さなガスでも、脳が「痛い!」「苦しい!」と過剰にキャッチしてしまうのです。
2. 今日からできる、お腹と心をふんわり緩める対策
ストレスを溜めないようにするのも大事ですが、まずは体へのアプローチ(物理的な姿勢)や、心へのアプローチ(呼吸)など、今すぐ自分でできることから取り組んでみるのはいかがでしょうか。
① 骨盤を立てて、腸に「お部屋」を作ってあげる
座る時は、背中を無理にピシッと伸ばそうとしなくて大丈夫です。
お尻の下にある尖った骨(座骨)を、椅子の座面にまっすぐ突き刺すイメージで、骨盤を立てるように座ってみてください。
その時に、重心が前後左右に偏っていないか、少し体を揺らして確かめてみるのがポイントです。
これだけでお腹が自然と伸びて、潰されていた腸に広々とした「お部屋」が戻り、ガスが動きやすくなります。
② 「1分だけ立ち上がる」休憩を入れる
30分〜45分に1回、タイマーをかけてコッソリ立ち上がってみましょう。
立ち上がれなければ、座ったままでもいいので、ぐーっと伸びをして、お腹の血流を良くしてあげるだけで、スムーズにいかなくなっていた腸の動きが促されます。
学生さんなら、授業の合間の休み時間に少し体を動かすだけでも効果的です。
③ 夜の「ガス抜きのポーズ」と優しいマッサージ
夜、お布団に入る前、仰向けになって両膝を胸に優しく引き寄せてみてください。
そのままゆっくり深呼吸を5回。
その後、おへその周りを「の」の字を描くように、手のひらで温めながら優しくなでてあげましょう。
「今日もお疲れ様、ありがとう」とお腹に声をかけるように触れてあげると、リラックスモードの副交感神経(ふくこうかんしんけい)が働き、腸の緊張がふわっと緩んでいきます。
④「4秒で吸って、8秒で吐く」呼吸法
自律神経をリラックスモードにする方法として「呼吸」があります。
吸う呼吸の倍の時間をかけてゆっくりと吐き出す、そんな呼吸を繰り返すうちに、体と心が落ち着いてきます。
比較的どんな場面でも使える方法ですので、ご自身の都合のいいタイミングを見つけてぜひ習慣にしてみてください。
迷ったときは、まず病院(内科や消化器内科)へ
「私のお腹の苦しさは、本当に姿勢や心のせいなのかな?」と不安になることもありますよね。
特に以下のような症状がある場合や、チェックリストにあった症状がとても辛い時は、まずは消化器内科などの医療機関を受診してみてください。
・体重が急激に減ってきた
・便に血が混じっている(血便)
・夜、お腹の痛みで目が覚めてしまう
・発熱を伴う
・これ以外でも辛い症状がある時
これらは体に別の原因が隠れているサインかもしれません。
まずは病院で検査をして器質的な病気が隠れていないか確認することが大切です。
もし、器質的なものではないことが確認できれば、心がホッと軽くなり、それだけでお腹の調子が良くなることもよくあるのです。
また、病院にもよりますが、レントゲンなどでガスが溜まりやすい腸の形状や、胃や腸の下垂といった個人の特徴がわかるだけでも、納得感から不安が和らぐこともあります。
消化器内科で必要な検査をした上で、「機能性ディスペプシア」「過敏性腸症候群」と診断された場合は、心療内科を受診することも選択肢のひとつです。
お腹の不調は、あなたの大切な体からのサイン
お腹の不調は「いま、心も体もちょっと頑張りすぎているよ」「少し休もうね」という、サインかもしれません。
まずは「座る時間を少し短くしてみる」「気がついたときにお腹を伸ばしてみる」といった、できることから始めてみませんか?
症状の不安が無くなることが、ストレスをひとつ減らすことになるかもしれません。
また、具体的に日々の生活の中で抱えているお仕事・学校のお悩みについて、一緒に考えることでストレスが軽くなる場合もあります。
お腹の悩みと心の悩みが重なった時は、ぜひカウンセリングもご利用ください。
否定することなく、じっくり丁寧にお聴きします。
あなたの心とお腹が、少しでも軽くなりますように。
【著者:佐藤真理子】
公認心理師。
1970年八戸生まれ、盛岡育ち。
私のミッションは、自己理解と他者理解をほどいて、幸せな人生を送る人を増やすこと。
一人で抱え込みそうなときは、いつでもカウンセリングを頼ってくださいね。
このブログでも、少しずつ「心をほどくヒント」をお届けしていきます。
[カウンセリングのHPはこちら]https://seraphyroom.com




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