未来の私から過去の私へ――「老い」と「ミッドライフ・クライシス」を乗り越える術
- seraphyroom
- 22 時間前
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私は、少し心配性なところがあります。
そのせいか、昔から、自分より人生の先輩にあたる方々のお話を聞くのが好きでした。
未知の風景について、先に歩んでいる誰かの物語を通して見ておくことで、心の準備をしたいのだと思います。
20代の頃は40代の職場の先輩に、そして50代の今では、サークル活動や、高齢者施設のボランティア活動で、70代以降の先輩方の言葉に耳を傾ける時間を楽しみに感じています。
大体、自分よりも20歳くらい年上の方の話に興味を持つようです。
では30代の頃の自分はどうだっただろうか、と考えました。
ちょうど20歳年上の、当時からみた50代前後については、どうもすっぽ抜けていたような気がするのです。
その頃は、50代前後の「ミドルエイジ」について、不安を感じていなかったのかもしれません。
ただ印象的に残っていることは、人の入れ替わりが多い職場で、仕事を指示する立場を経験した時、20代の新人と、50代の新人の方々の違いをひしひしと感じたことでした。
なんといっても20代の記憶力は素晴らしく、仕事への向き合い方も、先入観や自分の経験値が少ない分、素直に聞いて素早く動いてくれるのです。
正直なところ、50代になった今、自分がその時の50代の人達に重なって見えています。
謙虚でいなければ、と自分を戒める経験になりました。
ところで、30代半ば、カウンセラーになりたての私は、ある組織の退職者の方々を前に講演をするという大役を任されました。
当時の私には、人生の大先輩である皆さんの前で語れることなど何もないように思え、図書館へ駆け込み、必死に言葉を探しました。
まず調べたのは、70代80代というのは、「不安でいっぱい」なのではないか、という自分の思い込みの裏付けをとることでした。
意外なことに統計データを見ると、70代80代の方のほうが、50代の前後の方よりも「不安と感じる」ことが少ないことがわかりました。
データには理由が載っていませんので、当時の私は「?」が頭の中を飛び交いつつ、次の資料探しへと進むばかりでした。
そこで出会ったのが、吉田松陰の「人生を春夏秋冬に例えた教え」でした。
松陰は、二十歳までを「春」、三十歳までを「夏」、四十歳までを「秋」、そして五十歳以降を「冬」とし、それぞれの季節に果たすべき役割があると言いました。
(現代とは平均寿命が違いますので、時代に合わせて今の年齢感覚に読み替えてみても良いかもしれません)
春(若年期):種をまき、学問に励んで土台を固める時期。
夏(青年期):積極的に動き、苦労を厭わず自分を試す時期。
秋(壮年期):これまでの努力を形にし、実を収穫する時期。
冬(高齢期):活動を収め、静かに自分を見つめ直し、次の世代へ何かを残す時期。
この言葉を知ることで、やがてくる老年期への不安に一筋の光が差したような気がしました。
「老年期は単なる衰退の時期ではなく、冬という豊かな季節なのだ」。
歳を取るごとに、不安を感じた時は、この言葉に立ち返ることができました。
そして今になって、自分が若い頃描いていた想像と、年代ごとの心情が違った理由がわかってきました。
もちろん個人差はあると思いますが、今、高齢期の方々のお話をお聴きすると「なるようになる」「考えたってどうにもならない」といった言葉が共通しているような気がします。
一方、「ミッドライフクライシス」という言葉が昨今聞かれるように、この壮年期こそ、老後の不安、子育ての終わりや親の介護、社会的な立場も重なることで、“変化の狭間”に立つ時期でもあります。
未来のことを知りたがっていた私に、ちょっとだけ教えてあげたいことがあります。
「50代は思っていたより変化が多いよ~」と。
でも、30代の私は、結構頑張っていたように思います。
見た目では「普通の社会人」として振る舞っていましたが、当時は子宮の病気による痛みや貧血を抱え、体はかなりしんどかったのです。
その中で「普通に」働こうと、必死に努力していました。
同じように、どの年代にもその時々の困難はありました。
けれど、どの年代の私も「その時にできること」を精一杯やってきたのは確かです。
私の中の先輩である「今の私」が、「30代の私」に声をかけるとしたら、ただ一言、「がんばってるね」と伝えたい。
そして、今の私を「未来の私」が見た時に、同じように「がんばってるね」と言われるような、そんな生活を続けていきたいと、ミドルエイジど真ん中の私は思うのです。
不安はあっていいし、予習もしていい。
でも、最後は「今の自分にできること」をやるだけ。
そう気づくと、少しだけ歩きやすくなる。
皆さんも、ちょっと人生が息苦しくなった時、「これでいいんだよ」と先を歩く「未来の自分」が声をかけてくれている――。
そんな想像をしてみませんか?
【著者:佐藤真理子】
1970年八戸生まれ、盛岡育ち。
頭の中が多動な人ですが、パワフルだった20代を経て、今は少し落ち着いた50代。
人のお話を聴いて、その方の世界観に触れるのが何よりの喜びです。
一人で抱え込みそうなときは、いつでもカウンセリングを頼ってくださいね。
私のミッションは、自己理解と他者理解をほどいて、幸せな人生を送る親子を増やすこと。
このブログでも、少しずつ「心をほどくヒント」をお届けしていきます。
[カウンセリングのHPはこちら]https://seraphyroom.com




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