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「仕事を辞めたら生きていけない」と思いつめる前に読んでほしい、4つの話(中堅~管理職編)①

執筆者の写真: seraphyroom
seraphyroom
9月3日
読了時間: 6分

更新日:9月11日


第1回: 毎朝の栄養ドリンクやデスクのチョコが、実は「限界の壁」を越えるための前借りだった話

 


 

突然ですが、あなたには仕事の前に「これをすると気合いが入る」という、お決まりのルーティンはありますか?

 

私の知人に、毎朝出勤する前に必ず栄養ドリンクを飲んでいる人がいます。

 

皆さんにも、そんな「ちょっと自分を励ますためのアイテム」はありませんか?

 

飲食物に限らず、お気に入りのアクセサリーをお守りとして身に着けたり、小さなフィギュアをデスク回りにちょこんと置いたり……。

 

そのように何かの助けを借りながら日々の仕事を頑張ることは、決して悪いことではありません。


むしろ、自分をいたわる「セルフケア」としての、とても素敵な工夫ですよね。

 

でも、少しだけ待ってください。

 


実は私も、かつて職場のデスクに「ストレスを軽減する!」と大きく謳ったチョコレートを常備していた頃がありました。

 

仕事中にふっとエネルギーが切れそうになった時、それを口に放り込みながら「ああ、なんだか少し楽になった気がする」と思いながら仕事を続けていたのです。

 

当時は「上手に対処できている」と思っていました。

 

けれど今振り返ると、あれは「それが無いと、もう限界の壁を越えられない」という、心と体からの「黄色信号」だったのだと気づかされます。

 

実際、その後、体調を崩してしまった過去があるからです。

 

 

今回は、がんばりすぎてしまうあなたが、ご自身の「黄色信号」に少しでも早く気づけるよう、特に職場で中堅から管理職として奮闘されている方に向けて、見落としがちなストレスのサインについて整理していきたいと思います。

 

*

 

職場の「サンドイッチ状態」が生む複合的なストレス

 

中堅から管理職というポジションは、組織の中でも特に大きなプレッシャーがかかる時期です。

 

上司や経営陣からの高い期待や数字の重みを受け止める一方で、部下や後輩の育成・フォローにも気を配らなければなりません。

 

女性の場合だと、男性が多い職場や、古い体質が残る組織の中で、周囲から「これだから女性は……」と言われないようにと必要以上に言葉を選んだり、理不尽な扱いを受けても角を立てずにうまくかわそうとしたりと、人間関係において過度な気遣いを続けている方がとても多いように感じます。

 

男性の場合は、逆に露骨に「気遣いをされない」態度を取られることがあるかもしれません(「男ならこれくらい大丈夫だろう」といった精神でしょうか…)。

 

そうした「男性社会で波風を立てずに立ち回るための気配り」に加えて、「膨大な仕事量」が重なると、ストレスは一気に複雑化します。

 

  • 「断れない」の悪循環


    人手不足の職場や、周囲からの期待に応えようとするあまり、無理なスケジュールや仕事量でも「大丈夫です」「やります」と引き受けざるを得ない状態ではありませんか? 心の中では「なぜ自分ばかり……」という孤独感や不満が募っているのに、言葉にできない状態です。

 

  • 高すぎる「報連相」の心理的ハードル


    「相談したら、管理職としての能力がないと思われるのではないか」「上司に嫌な顔をされるのではないか」と恐れ、周囲にSOSを出せないまま、一人でタスクを抱え込み、潰れる寸前まで追い込まれてしまうことがあります。

  

  • プライベートでのマルチタスク


    仕事でヘトヘトになりながらも、家に帰れば家事や育児、介護、あるいは「よきパートナー・〇〇(家族の役割)であらねば」という私生活の役割まで完璧にこなそうとして、脳内が24時間フル稼働の過熱状態になっているケースも少なくありません。

 

「私がもう少し手際よくやれば」「私が我慢すれば、丸く収まるから」――。そんな風に自分を納得させているとしたら、心と体はすでに悲鳴を上げ始めているかもしれません。

 

*

 

見逃してほしくない、3つの「黄色信号」


ストレスのサインは、お医者さんにかかるような大きな病気として突然現れるとは限りません。まずは、日常の本当にささやかな「変化」として現れます。

 

1.     行動の変化:楽しかったことが「面倒」になる

 

かつてはリフレッシュになっていたはずの趣味や、楽しみにしていた動画配信を観ること、気の置けない友人からのLINEの返信すら億劫になってはいませんか?


休日は「ただ泥のように眠るだけ」で終わってしまい、出かける気力も湧かない。これは、心と体がエネルギー切れを起こし、省エネモードに入っているサインです。

 

2.     感情の変化:理不尽な状況に「怒り」すら湧かなくなる

 

人間関係や仕事量への不満を通り過ぎて、「自分がロボットのようになれば丸く収まる」「何も感じないようにしよう」と、自分の感情をシャットダウンしてはいませんか?

 

一見、冷静に大人の対応ができているように思えますが、これは「過剰適応」といって、心がこれ以上傷つかないように麻痺させている危うい状態です。

 

3.     からだの変化:週明けの朝、玄関で立ち尽くす

 

日曜日の夕方から時計を見るのが怖くなったり、月曜日の朝、玄関で靴を履こうとした瞬間に急に涙がこぼれたり、動悸がしたりする。

 

あるいは「夜中に何度も目が覚める」「寝ても疲れが取れない」といった睡眠の乱れ。


これらは、自律神経のバランスが崩れ、心身が「これ以上その場所(職場)に行ってはダメだ」と全力で拒絶しているサインです。

 

*

 

そのサインは、あなたが「戦ってきた証拠」

 

いかがでしたか?

もしかすると、あなたはこういったサインが出ていることに薄々気づいていながら、「いや、まだまだ頑張らなければ」「みんなこれくらい耐えているのだから」と、さらに自分を奮い立たせようとしていませんか?

 

最初にお伝えしたように、栄養ドリンクやお守り、チョコレートで自分を励ますことは悪いことではありません。

 

ただ、それらは「本来のあなたのエネルギーを補うもの」ではなく、「限界を超えて走るための前借り」になっている可能性があるのです。

 

こうしたストレスのサインが出ることは、決してあなたの「弱さ」ではありません。


あなたがそれだけ周囲のために責任を果たそうと、必死に戦ってきた「がんばりの結晶」そのものです。

 

だからこそ、どうかその黄色信号を無視せず、「私、本当によくやってるな」と、まずは一生懸命なご自身を受け止めてあげてほしいのです(これは本当に大事なことです)。

 

けれど、なぜ私たちは、これほど心と体が悲鳴を上げているのに、走るのを止められないのでしょうか?

 

なぜサインを見逃してしまうのでしょうか?

 

次回は、がんばる人ほど陥りやすい「サインを見逃してしまう心理のメカニズム」について、公認心理師の視点から詳しく解説していきたいと思います。

 

まずは今日1日、頑張ったご自身に「お疲れ様」と声をかけてあげることから始めてみてくださいね。



【著者:佐藤真理子】


公認心理師。


私のミッションは、自己理解と他者理解を促し、幸せな人生を送る人を増やすこと。


一人で抱え込みそうなときは、ぜひカウンセリングをご利用ください。


このブログでも、少しずつ「心をほどくヒント」をお届けしていきます。


[カウンセリングのHPはこちら] https://seraphyroom.com

 
 
 

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