がんばる力をなくさずに、長く働くための4つの話①

第1回:「残業を減らせ…」と言われても。仕事が遅い自分は能力が低いの?
このシリーズでは、“がんばっている”という自覚がある人にも、気づかないうちにがんばり続けている人にも、自分の力を長く活かしながら働くためのヒントをお伝えしていきたいと思います。
「働き方改革」という言葉を2019年頃から耳にするようになりました。
実際、その頃、私が相談員として月に何度か出勤していた職場でも、就業時間ぴったりに職員の方々がさっと退勤するようになっていきました。
私は、内心(仕事量は変わったの? 前まで残業していた人がいたのに、そんなにすぐに調整できるものなの?)と不思議に思っていました。
さらに想像は膨らみ、若い頃、一人で残業していた自分を思い出し、その職場に限らず、なかには持ち帰って仕事をしている人もいるのでは?と心配しているこの頃です。
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自分だけが仕事が終わらないと、必死で仕事をしているその隙間をぬって「もしかして、自分は仕事の能力が低いのだろうか」という不穏な感情が湧いてくることはないでしょうか。
ここで一度、「仕事の条件」と「能力」について考えてみたいと思います。
仕事の速さには、本人の能力だけではなく、次のような条件が関わります。
下の項目を見て、何が「速度を落としているのか」を一旦整理してみませんか。
(仕事が進むかどうかに関わる条件)
1仕事そのものの複雑さ
2中断や割り込みの多さ
3人との調整の多さ
4十分な情報や支援があるか
ここに挙げた条件だけでも、同じ仕事でも人によって速さが変わってきそうです。
また仕事の性質を次のように見ることもできます。
どの仕事にも同じ速さを求めていないでしょうか。
(仕事そのものの性質)
1単純な処理作業
2企画や創造性が必要な仕事
3複雑な判断や頭脳労働
4接客・交渉・調整など、人とのやり取りが多い仕事
企画を、単純処理と同じ速さで終わらせるのは難しいですし、人との調整が多ければ、イレギュラーなことも多く自分だけでは進められないですよね。
次に、「今の自分と、その仕事との関係」を見てみます。
(今の自分と仕事との関係)
1初めてやる仕事か
2その仕事にどの程度慣れているか
3作業の全体像が見えているか
4困った時に質問できる人がいるか
5裁量がどれくらいあるか
ここでは、「経験不足」と「能力不足」は同じではないということがいえると思います。
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ここまで整理した上で、自分自身の特徴にも目を向けてみると、また一つ、視点が増えます。
(自分の仕事の癖の例)
1丁寧にやりすぎる
2好きな仕事ほど作り込みすぎる
3考えすぎて決断に時間がかかる
4ケアレスミスの修正に時間を取られる
5苦手な仕事を先延ばしする
6人とのやり取りで消耗する
これは「性格が良い・悪い」という話ではなく、自分の仕事の進め方の傾向として、どれがスピードに影響しているかを考えてみます。
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「私はダメだ」から、「どこを変えられる?」へ
「仕事が遅い」と感じた時に、「私は能力が低い」と一気に自己評価へ飛ばずに、
仕事の性質/経験/環境/自分の特徴
に分けて考える。
すると、
「これは慣れれば改善しそう」
「これは相談相手が必要」
「この仕事はそもそも時間がかかる」
「ここは自分の癖として工夫できそう」
と、次の一手が見えてくると思いませんか。
今回は、「仕事が遅いこと」と、「自分の能力」を切り離して、解決策へ向けるヒントをお伝えしました。
『自分はダメだ』という落ち込みが大きいと、身動きが取れなくなってしまうことがあります。
まずはいくつかの視点から眺め直して、「これは自分の能力だけの問題ではなかった」と見えてきたら、一旦深呼吸してみませんか?
そこから、『では何を変えられるだろう』という問題解決へ一歩踏み出していきましょう。
次回は、もう少し踏み込んで、「『もっと良くできる』が止まらない――丁寧さや創造性が、仕事を膨らませるとき」というテーマで、事例をあげてお話していきたいと思います。
「仕事」について、深く掘り下げていくことで、自分に合った働き方や、もう少し心地よく力を発揮する方法を見つける助けになれたら嬉しいです。
【著者:佐藤真理子】
公認心理師。
私のミッションは、自己理解と他者理解を促し、幸せな人生を送る人を増やすこと。
一人で抱え込みそうなときは、ぜひカウンセリングをご利用ください。
このブログでも、少しずつ「心をほどくヒント」をお届けしていきます。
[カウンセリングのHPはこちら] https://seraphyroom.com




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